電気工事向け積算AIソフト比較【2026年版】— 主要10製品の対応範囲・提供形態・料金
電気工事の積算で最も時間がかかる数量拾いを、AIで自動化する製品が2025〜2026年にかけて相次いで登場しています。本記事では、電気設備図面に対応する主要な積算AIソフト・サービス10製品を、各社の公表情報をもとに比較します。
筆者の株式会社Prefabは、電気工事向けの積算AIソフト「Tera拾い」を提供している当事者です。公平を期すため、他社製品の情報は各社の公式サイト・プレスリリースに書かれた事実のみを用い、精度や削減率など各社の自社発表値による優劣比較は行いません。
比較表:電気工事向け積算AI 10製品
| 製品 | 提供会社 | 対象工種 | 提供形態 | 入力 | 拾える内容 | 出力 | 公開料金 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Tera拾い | 株式会社Prefab | 電気設備(主対象) | SaaS+AIオペレーターの確認 | 員数・長さ | CSV・個社形式の拾い表 | 要問い合わせ | |
| SAKUJI | 株式会社Nexadata | 電気設備(主対象)・機械設備は個別相談 | SaaS(セルフ)/BPO(おまかせ)/エンタープライズ | PDF・CAD(JWW/DXF/DWG)・紙スキャン | 品目・数量・長さ | Excel・CSV、見積書・質疑書(おまかせ) | 月額9,900円(税込)〜 |
| ANDPAD積算AI-BPOサービス | 株式会社アンドパッド | 電気工事業(第1弾) | BPO(AI+専門スタッフ) | 図面アップロード(形式は非公開) | 個数・長さ | 内訳書・見積データ(ANDPAD連携) | 非公開 |
| 設備積算AI | 株式会社NITACO | 電気設備(幹線・電灯・動力・弱電・火報)・機械設備 | 導入支援型 | PDF・DXF・JWW・紙スキャン | 台数・延長・個数・付随品 | 拾い出し表・内訳書・見積書(Excel) | 非公開 |
| 拾いの匠NX | 株式会社システムズナカシマ | 電気・配管など設備工事 | ソフトウェア製品 | CAD(DXF/DWG/JWW等)・PDF・紙スキャン | 個数・長さ・面積 | 集計表・CSV・積算システム連携 | 非公開 |
| AI積算(AISekisan) | 株式会社H2Corporation(大塚商会も販売) | 空調・衛生・消火が中心、電気記号の個数物に対応 | クラウドSaaS | PDF平面図 | 個数物・ルート物(配管・ダクト) | Excel・CSV、拾い図PDF | 非公開 |
| 図面拾い出しAI・積算AI | 株式会社ドットログ(ケンセツAIラボ) | 電気設備中心 | 受託開発(オーダーメイド) | PDF・画像・紙図面 | 盤・器具・弱電・ケーブルラック長など | 数量表(Excel・CSV) | 診断・デモ無料、本開発は個別見積 |
| Patto AI | KMC株式会社 | 電気工事(施工計画書等の書類作成も含む) | 個社専用AIの導入型 | 図面PDF | 数量拾い | 実行予算書・御見積書(Excel) | 非公開 |
| 積算AI | 株式会社KK Generation | 内外装・躯体・設備・仮設・外構・土木 | 個社カスタマイズ開発 | PDF・画像中心(CAD・BIM等も可) | 部材数量・面積・長さ等 | 見積書・Excel・CSV | カスタマイズ500万円〜+月額40万円〜(目安) |
| Exayard | Exayard(運営会社の記載なし) | 33工種(電気を含む・米国系) | SaaS | PDF・画像・CAD | 員数・長さ・面積 | Excel・PDF・API | $99〜/ユーザー/月 |
2026年10月17日時点の各社公式サイト・プレスリリースの記載に基づきます。最新情報は各社にご確認ください。
提供形態は大きく3タイプ
1. SaaS型(自社で操作する)
Tera拾い、SAKUJI(セルフプラン)、拾いの匠NX、H2 AI積算、Exayardなど。月額などの定額で使え、拾い件数が多い会社ほどコストメリットが出ます。社内に積算担当者がいて、その生産性を上げたい場合に向きます。
2. BPO型(AI+人に任せる)
ANDPAD積算AI-BPOサービス、SAKUJI(おまかせプラン)など。図面を渡せば、AIの拾いを専門スタッフが確認・補正して納品します。積算担当者が足りない会社や、繁忙期だけ外に出したい場合に向きます。Prefabも積算AIとは別に積算代行を提供しています。
3. 個社カスタマイズ・受託開発型
KK Generation、ドットログ、Patto AI、NITACO設備積算AIなど。自社の図面表記・単価マスタ・帳票に合わせてAIを作り込みます。初期費用と導入期間はかかりますが、独自ルールの多い大手・中堅に向きます。
各製品の特徴
Tera拾い(株式会社Prefab)
電気設備図面に特化した自社AI基盤「Tera Engine」の上で動く積算AIソフトです。PDF図面をアップロードすると、配線・シンボル・傍記・凡例・系統図・表を読み取り、員数と長さを拾い出します。壁の高さも認識して配線長に反映します。積算士が監修したAIが拾い、AIオペレーターが最終確認する二段構えで、結果は画面上で修正できます。拾い精度90%超・拾い工数90%以上削減(自社調べ)。同社は積算代行も提供しています。 公式情報
SAKUJI(株式会社Nexadata)
電気設備図面を中心とした積算AIプラットフォームで、2026年9月に正式提供を開始しました。PDFのほかJWW・DXF・DWGなどのCADファイルをそのままアップロードでき、AIが品目・数量・長さの候補を図面上の位置と紐付けて表示します。自社で操作するセルフプラン(月額9,900円〜)と、確認・補正まで任せるおまかせプランがあり、料金を公開している点が特徴です。 公式情報
ANDPAD積算AI-BPOサービス(株式会社アンドパッド)
2026年10月に電気工事業向けに提供を開始したBPOサービスです。AIが個数・長さを検出・集計し、AIで対応できない部分は積算に精通したスタッフが代行して、内訳書・見積データまで仕上げます。施工管理アプリANDPADの原価管理などと連携できるため、既にANDPADを使っている会社に向いています。 公式情報
設備積算AI(株式会社NITACO)
2026年9月に発表された、機械設備と電気設備(幹線・電灯・動力・弱電・火報)の積算AIです。PDF・DXF・JWWに対応し、拾い出し表から単価を当てた内訳書・見積書までExcelで出力します。各社の単価マスタや帳票を取り込んで導入する支援型で、各行を「自動/要確認/未算出」に分けて表示します。 公式情報
拾いの匠NX(株式会社システムズナカシマ)
電気工事・配管工事などの設備工事業向けに2026年6月に販売を開始した拾いソフトです。JIS規格の図面記号を学習したAIでコンセント・照明器具などを認識し、CAD・PDF・紙スキャンから個数・長さ・面積を拾えます。積算システムとの連携に対応しています。 公式情報
AI積算(株式会社H2Corporation)
PDFの平面図から設備の数量を自動で拾うクラウドサービスで、空調・衛生・消火に強みがあります。電気設備は記号(個数物)の拾いに対応しています。大塚商会も「AI積算」の名称で販売しています。 公式情報
図面拾い出しAI・積算AI(株式会社ドットログ)
電気設備を中心に、各社の図面に合わせて検出対象を設計するオーダーメイド開発型のサービスです。盤・照明・コンセント・弱電・ケーブルラックなどを信頼度つきで検出し、人が確認する前提で数量表を出力します。 公式情報
Patto AI(KMC株式会社)
電気工事会社向けに、施工計画書・施工要領書などの書類作成と、図面からの積算(実行予算書・御見積書)をまとめて担うAIエージェントです。過去の書類や単価を学習させた個社専用のAIを構築します。積算だけでなく提出書類の作成まで効率化したい場合の選択肢です。 公式情報
積算AI(株式会社KK Generation)
内装・外装・躯体・設備など幅広い工種に対応する、個社カスタマイズ型の積算AIです。電気設備ではコンセントと配線、電気シンボルの個数を拾います。カスタマイズ費用500万円〜・月額40万円〜が目安とされ、大手企業向けの位置づけです。 公式情報
Exayard
電気を含む33工種に対応する米国系の数量拾いSaaSで、日本語ページもあります。自然言語で「すべてのコンセントを数えて」のように指示でき、員数・長さ・面積を拾えます。ただし日本の電気記号や規格への言及はなく、料金も米ドル建てです。 公式情報
電気工事会社が比較で確認すべき5つのポイント
- 配線の「長さ」まで拾えるか — 電気工事の拾いは器具の個数だけでなく配線長が大きな比重を占めます。立ち上がり・立ち下がりや天井高をどう扱うかも確認しましょう。
- 電気設備の区分をどこまでカバーするか — 電灯・コンセントだけか、動力・幹線・自火報・弱電・受変電まで対応するかで、削減できる工数が変わります。
- 入力できる図面形式 — 受け取る図面がPDF中心か、CAD(JWW・DXF)か、紙かによって選ぶ製品が変わります。
- AIの結果を確認・修正する仕組み — どの製品も人の確認を前提にしています。画面上で修正しやすいか、オペレーターやスタッフの確認が含まれるかを見ましょう。
- 出力形式と既存ソフトへの連携 — 自社の拾い表・内訳書の書式や、今使っている積算ソフトにそのまま取り込めるかを確認しましょう。
まとめ
電気工事向けの積算AIは、自社で使うSaaS型、AIと人に任せるBPO型、自社専用に作り込むカスタマイズ型に分かれます。料金を公開している製品は一部に限られ、精度や削減率もすべて各社の自社発表値のため、最終的には自社の図面で試して比べるのが確実です。
Prefabの積算AIソフト「Tera拾い」も、自社の図面でのデモを受け付けています。デモ相談や資料請求からお気軽にお問い合わせください。用語が分からない場合は用語集もご覧ください。
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